会社開設の工程 現地法人登記にかかる日数・費用

 台湾での会社設立して、営業を開始するまでにどれくらいの日数・工程を要するのか?
最終的にいくら費用や手数料がかかるのか?
実例に近いモデルケースで見てみましょう。

 まず、どのような業態の会社でも共通して、登記の工程で必要な項目を解説していきます。

社名はどうする!?

 台湾での法人登記には、当然、中文(漢字表記)の社名が必須です。
英文表記も必要になりますが、申請手順上、中文社名よりは少し後に申告します。

 社名は審査があって、申告さえすれば受理されるわけではないので、複数の候補を用意しておくのがいいでしょう。
社名として使えない語句が含まれていると棄却されます。たとえば国名などを冠した社名は申請できないことが多いです。

中国語社名の命名規則

 日本での社名を基に中文化するのには、音訳と意訳の二つの方法があります。

 たとえば SONY の中文名は「索尼(Suo Ni)」ですが、これは「ソニー」の音に近い漢字を選んで当てています。

 意訳の例としては、ソフトバンクの「軟體銀行」が挙げられます。「軟體」はソフトウェアの訳語です。
もし「ソフトバンク」を音訳するなら、「素福幫(sufu bang)」「索富辦(suofu ban)」のように、音が近い漢字を組み合せて表現します。

更に詳しい例は、下記のページをご覧ください。
台湾社名・中国語社名の付け方

法人口座開設

新型コロナ感染症の流行に伴い、現在は台湾入国および入国後の活動に制限があるため、オンラインでの口座開設をご案内しています。
「DBS銀行 (星展銀行)」はオンライン上で口座開設ができ、渡航も不要です。

ただし会社設立後に一定金額の売り上げが必須なので、形のみのペーパーカンパニーの設立には使えません。

 銀行口座の開設には、法人の代表者本人が、必ず銀行窓口にて申請しなくてはなりません。なので、少なくとも一度は台湾にお越しになる必要があります。
弊社で開設サポート(付き添い)はいたしますが、代理での申請は認められていません。
口座の開設には、先に「統一番号」という台湾のIDが必要ですが、これは同日中に発行できます。

 また、最初から法人名義で口座開設できるわけではありません。
まず最初は準備口座を開設しておき、そこに資本金を入れます。そして法人登記が認可されてから、その口座を法人名義に変更する、二段階の手続きになります。

A社のケース

 台湾でのネット販売・Eコマース展開を計画していた、A社の設立事例です。

 営業開始までにかかった期間は約2ヶ月。要した費用は40万円強(当社の手数料含む、現地採用の人材給与除く)でした。

【事業内容・営業項目】
オンラインショップ開店、カスタマーセンターの設置。
また、将来的にレストラン運営や旅行代理店業の開業を検討。

【計画概要】
有限会社設立/株主1名/登記住所は依頼者ご自身で契約/現地の会計事務所と契約/現地人材(アルバイト)採用

【当社の見積りした提示額】

会社設立 160,000円〜200,000円(政府への申請費、当社手数料 含む)
電話契約 10,000円(初期費用・工事費用 含まず)
インターネット契約 10,000円(初期費用・工事費用 含まず)
人材紹介 年収の20%
合 計 180,000 〜 220,000 円(未定の人材紹介費 含まず)

登記から営業開始までの経過

初日

「中国語社名」「英語社名」「営業項目」の検討[所要日数:1日]

着手金を弊社日本口座にお振込みいただいて、申請手続きをスタート。

3日

社名・営業項目申請[所要日数:2日]

中国語社名の申請完了。受理されるかは数日審査待ちです。

申請希望の営業項目に『旅行代理店業』があったのですが、これには多額の保証金や、資格を持った従業員が必要になるなどの条件があったため、いったん依頼者に確認。 それを除く営業項目は申請完了しました。

4日

営業項目再考[所要日数:1日]

『旅行代理店業』は、すぐに開始をする事業ではないため、登記が完了し事業が軌道に乗ってから再度申請を行うとご判断いただき、今回は申請を見送ることになりました。

5日

銀行口座開設[所要日数:1日]

6日

申請した中国語社名が受理されました。

12日

インターネット・電話の契約[所要日数:7日]

依頼者の現地事業所(登記住所)にて、インターネットと電話の新規契約。
工事費などの諸費用が発生しました。
・電話施工費用:3,000元 ・インターネット契約費用:2,000元

17日

資本金の送金[所要日数:5日]

資本金を、先日開設した口座に入れるので、日本から台湾の銀行へ海外送金するように依頼。
送金手続きから5日後に、銀行から入金処理された旨の連絡が来ました。

日本からは日本円で振り込みするので、そのときのレートによって、想定した台湾元の資本金額とは差額が出ます。不足が出ないように多めに振り込んでおけば、資本金を超過していた分は、銀行側が戻してくれます。

46日

資本金や登記内容の審査[所要日数:20〜30日]

資本金の入金確認後、資本金の審査などの諸手続き。

49日

会計士認証[所要日数:3日]

経済部の資本金審査が完了後に会計士認証。

61日

国税局面談[所要日数:1日]

再度、代表者の方に台湾にお越しいただき、国税局で面談。

これで登記申請は完了したので、台湾での営業がスタートできるようになりました。

62日

残金の精算
サポート費用の残金、および追加で発生したインターネットと電話の登録費用5,000元を請求しました。

75日

人材紹介・採用[所要日数:15日]

希望の条件に沿った人材を探し、面接の日程調整。面接自体は依頼者自身で行い、採用を決定。
その人材に当社より、会計事務所との連絡方法などを説明・引き継ぎしました。

170日

人材紹介費用の請求
雇用から3ヶ月経過後も勤務が継続していることを確認の上、費用を請求しました。
請求費用は、年収の20% = 72,000元(約 220,000円)

【最終的な費用・所要日数】
・所要日数:61日
・見積り費用:180,000円〜
・追加費用:
インターネット登録費用 2000元(約7,000円)、電話登録費用 3,000元(約11,000円)、人材紹介費用72,000元(約 220,000円)
・総額:約423,000円
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